前回、430MHzの八木アンテナを作ってその後もご機嫌で運用しております。
144MHzも八木アンテナを作ろうかと思ったのですが幅が1mになるのがどうにも嫌で小型化できないかと考えていました。そこでひとつ思い至ったのが磁界ループアンテナです。サイズの割には性能がそこそこあるような評判なので試してみたくなりました。
そこで、まずは手のひらサイズの430MHzで試作してみることにしました。
こんなのです
1作目
コンデンサ部を銅版と円形パイプ(銅)の溶接で接合して作ろうとして0.5mm厚パイプを溶かして失敗
2作目
コンデンサ部を平らに潰した銅パイプに変更して作成、給電部を作成。
細かな半田付けをおこなうも、その後ループ作成時に銅線が千切れてしまいコネクタを無駄にする。
3作目
コネクタをしっかりしたものに変えて再度作成、銅の半田付けに苦労するもなんとか形にする。
調整作業
(現状の)結論から言えば作るのより大変でシビア、再現性なし。
写真の緑▽1は433MHz
ザクっと形にした状態でNanoVNAで測定すると520MHzあたりで共振しているのが分かりました。その後コンデンサ部を平行にして間隔を1mm以下程度にすると430MHzクラスに調整できることが分かりましたが、安定させるのが難しいのです。
要素としてコンデンサ部の間隔、温度、周辺のモノの影響が大きい。
最終的に、結束バンドで大体に調整したあと、コンデンサ部に1滴のホットメルト(接着剤兼、誘電体替わり)を垂らして、ライターで暖めたり冷やしたりしながらコンデンサ部の間隔を調整して433MHzに共振させました。
最後に
受信に関しては今後様子見でなにか特記すべきものがあればレポートを残しますが、送信に関してはエアバリコン1mmの耐圧なので50W運用など土台無理というものでしょう…
送信試験も受信運用後としますが、ハンディー機の5Wなら問題はなさそうでした。
磁界ループの原理を理解していないので、どうすればコンデンサ間隔を大きく取れる(コンデンサ容量を小さくできる)のか分かっていないので、その辺も課題です。
他の磁界ループを自作されている方が、皆コンデンサ部をバリコンで製作されているのは狭帯域であることと、微調整が困難だからというのも体感できました。
受信・送信の試験次第ではありますが、適切なバリコンの入手が無い限りこの先の試作は無いと考えています。
2019年11月27日水曜日
2019年11月17日日曜日
430MHz 3エレ八木アンテナの製作
前回、試作アンテナの出来の良さに気を良くした為、実用に耐えるものを作りました。
ラジエーター部の加工(今回は半田付けの為、銅パイプを使ってみました)
前回は給電部をM型コネクタ直結にしたのを、今回は同軸ケーブル直結に変更したため、アンテナの実行長が前回と変わってしまいました。
ラジエーター部完成後、再度MMANAにてシミュレーションしなおしてディレクターとリフレクターを制作しました。
結果的にゲインとサイドの切れは良くなっている模様。
ただ、リフレクターの距離が5cm程伸びてしまったので、コンパクトさが無くなった。
前回同様、ミリ単位以下の削りと位置調整により、なんとかCW,SSB帯をSWR1.0に追い込むことができました。(ここが一番大変)
以下備忘録
精度良くつくると写真のように、430~435MHzの緑色の円弧が中心付近に現れます。
この円弧を上に動かしたいときは、ディレクターを0.5mm程削ると半メモリ分程動く。
円弧を時計回りに動かしたいなら、ディレクターをラジエーターから僅かに離す。
円弧を反時計回りに動かしたいなら、ディレクターをラジエーターから近づける。
ラジエーター部の加工(今回は半田付けの為、銅パイプを使ってみました)
ラジエーター部完成後、再度MMANAにてシミュレーションしなおしてディレクターとリフレクターを制作しました。
結果的にゲインとサイドの切れは良くなっている模様。
ただ、リフレクターの距離が5cm程伸びてしまったので、コンパクトさが無くなった。
前回同様、ミリ単位以下の削りと位置調整により、なんとかCW,SSB帯をSWR1.0に追い込むことができました。(ここが一番大変)
以下備忘録
精度良くつくると写真のように、430~435MHzの緑色の円弧が中心付近に現れます。
この円弧を上に動かしたいときは、ディレクターを0.5mm程削ると半メモリ分程動く。
円弧を時計回りに動かしたいなら、ディレクターをラジエーターから僅かに離す。
円弧を反時計回りに動かしたいなら、ディレクターをラジエーターから近づける。
2019年11月9日土曜日
試作430八木の運用結果
試作した430八木
運用してみました。
結論から書くと市販のノンラジアル2バンドモービルホイップとは桁違いの性能でした。
市販ボービル
144/430MHz 全長1.4mくらい アパートのベランダからパイプで延長して屋根の上に出るように設置
試作430八木
430シングル アパートのベランダ内の室外機フレームに結束バンドで南向きに固定
430のFT8で色々試しましたが南向きに設置したにも関わらず、北側の局(京都市付近)に対して、市販ボービルでは-1dBが試作八木では+15dBというとんでもない結果になりました。
背面の局に対してこの性能は分けが分かりませんが、430~431MHzを狙って完全同調させたからでしょうか?それぐらいしか市販モービルに勝っているところがありません。
驚愕の結果になりましたが、こうなってはもはやモービルホイップには戻れませんので、近々下したいと思います。後、144MHz用のも欲しくなってきました。
追記
今回作ったアンテナの寸法をMMANAに放り込んでみました
というのも、自作の経験、特にMMANAを利用した自作の経験が無い為、
「シミュレーションしてもどうせ理想通りにできない」
と言う先入観があったため現物での試行錯誤による自作をおこないました。
現物で試行錯誤してそこそこ良い(と思われる)アンテナがシミュレーション上どうなるのか。リバースエンジニアリングで評価することでMMANAの信頼性について調べたいと思ったからです。
結果、MMANAは十分実用に耐えると確信しました。各エレメントの寸法、位置など最適化してみましたが、シミュレーションに頼らなかったアンテナとMMANAの最適化アンテナはその差異はリフレクター位置が5mm程違っただけで、他は全て1mm未満の誤差でした。
(リフレクターは受信機のSメーターを見ながらの調整だったのでちょっとアバウトな調整でした。)
次回からMMANAを参考にしながら自作したいと思います。
というか、MMANAとNanoVNAがあれば既製品よりも良いものができる気がします。
運用してみました。
結論から書くと市販のノンラジアル2バンドモービルホイップとは桁違いの性能でした。
市販ボービル
144/430MHz 全長1.4mくらい アパートのベランダからパイプで延長して屋根の上に出るように設置
試作430八木
430シングル アパートのベランダ内の室外機フレームに結束バンドで南向きに固定
430のFT8で色々試しましたが南向きに設置したにも関わらず、北側の局(京都市付近)に対して、市販ボービルでは-1dBが試作八木では+15dBというとんでもない結果になりました。
背面の局に対してこの性能は分けが分かりませんが、430~431MHzを狙って完全同調させたからでしょうか?それぐらいしか市販モービルに勝っているところがありません。
驚愕の結果になりましたが、こうなってはもはやモービルホイップには戻れませんので、近々下したいと思います。後、144MHz用のも欲しくなってきました。
追記
今回作ったアンテナの寸法をMMANAに放り込んでみました
というのも、自作の経験、特にMMANAを利用した自作の経験が無い為、
「シミュレーションしてもどうせ理想通りにできない」
と言う先入観があったため現物での試行錯誤による自作をおこないました。
現物で試行錯誤してそこそこ良い(と思われる)アンテナがシミュレーション上どうなるのか。リバースエンジニアリングで評価することでMMANAの信頼性について調べたいと思ったからです。
結果、MMANAは十分実用に耐えると確信しました。各エレメントの寸法、位置など最適化してみましたが、シミュレーションに頼らなかったアンテナとMMANAの最適化アンテナはその差異はリフレクター位置が5mm程違っただけで、他は全て1mm未満の誤差でした。
(リフレクターは受信機のSメーターを見ながらの調整だったのでちょっとアバウトな調整でした。)
次回からMMANAを参考にしながら自作したいと思います。
というか、MMANAとNanoVNAがあれば既製品よりも良いものができる気がします。
2019年11月5日火曜日
430八木アンテナの試作その2
その1の続き
完成しました。
導波器、反射器ともに数ミリ違いのものを3種類ほど用意して一番具合の良いものを微調整する形でいきました。
性能については、430.0~431.5MHzまではSWR1.0というCW範囲に特化
指向性については手持ちの受信機にてFront:S9+ Back:S7 Side:S5
Sメーターでの評価なので指向性の評価がいまいち分かりません。
特にバック側がなにをどういじってもS5~7程度にしか落ちず、それならばと帯域とFr側の出力だけ重視して調整しました。
調整のポイント
輻射器に近い導波器は輻射抵抗と帯域にモロに影響を与えます。導波器の長さを1mm 位置を1mm変えただけで、全く別物の性能になります。
反射器は輻射抵抗にあまり影響を与えず微調整にもってこいですが、指向性もこいつの位置で多少変わります。(特にFr側への出力)
調整手順としては、
①導波器をスミスチャートをリアルタイムに見ながらシビアに調整
②反射器でFrゲインを重視して調整
③再度導波器を微調整
前回輻射器を暫定で700切り出したまま使用していると説明しましたが、下図のように余剰分を折り曲げて導線代わりにして調整したためです。
そのうち試験運用して、具合が良ければ耐久性も考慮したものを制作してみたいと思います。
導波器の寸法は輻射器の加工寸法に大きく影響を受けるので参考になると思いませんが一応書き残しておきます。
導波器:L=329mm D(輻射器からの距離)=30mm
反射器:L=352mm D=150mm
材料費
木材80円
アルミパイプ100円×3本
M型?端子200円くらい(昔に買ったので忘れた)
運用結果
完成しました。
導波器、反射器ともに数ミリ違いのものを3種類ほど用意して一番具合の良いものを微調整する形でいきました。
性能については、430.0~431.5MHzまではSWR1.0というCW範囲に特化
指向性については手持ちの受信機にてFront:S9+ Back:S7 Side:S5
Sメーターでの評価なので指向性の評価がいまいち分かりません。
特にバック側がなにをどういじってもS5~7程度にしか落ちず、それならばと帯域とFr側の出力だけ重視して調整しました。
調整のポイント
輻射器に近い導波器は輻射抵抗と帯域にモロに影響を与えます。導波器の長さを1mm 位置を1mm変えただけで、全く別物の性能になります。
反射器は輻射抵抗にあまり影響を与えず微調整にもってこいですが、指向性もこいつの位置で多少変わります。(特にFr側への出力)
調整手順としては、
①導波器をスミスチャートをリアルタイムに見ながらシビアに調整
②反射器でFrゲインを重視して調整
③再度導波器を微調整
前回輻射器を暫定で700切り出したまま使用していると説明しましたが、下図のように余剰分を折り曲げて導線代わりにして調整したためです。
そのうち試験運用して、具合が良ければ耐久性も考慮したものを制作してみたいと思います。
導波器の寸法は輻射器の加工寸法に大きく影響を受けるので参考になると思いませんが一応書き残しておきます。
導波器:L=329mm D(輻射器からの距離)=30mm
反射器:L=352mm D=150mm
材料費
木材80円
アルミパイプ100円×3本
M型?端子200円くらい(昔に買ったので忘れた)
運用結果
2019年11月4日月曜日
430八木アンテナの試作その1
現在、V/UHF帯にはツェップライクアンテナというのでしょうか?電圧給電型の無指向性アンテナをしようしています。奈良コンテストなどにはこのアンテナで参加していたのですが、どうもスコアが伸びません。
以前HAMtte交流サイトでアパマンハムでありながらコンテストで常勝しているかたの話が聞けたのですが、マンションの高層階から3エレの八木アンテナで参加されているそうです。
当方、高層階ではありませんが、この話を聞いて是非試してみようと思っていました。
とはいえ、製作を決意したものの八木といってもループでいくかダイポールでいくか、バランはどうするかインピーダンス変換はどうするかと色々悩みました。
悩んだ末、フォールデッドダイポールに直接給電が一番簡単なのではという結論に至りました。
というわけで、ホームセンターでΦ4のアルミパイプを切って、700にカットして折り曲げてみました。
700というのは長めに切っておいて、後で調整するはずだったのですが今のところ調整不要でいってます。
コネクタとの接続方法も悩みましたが暫定で写真のようにいきました。
とりあえず、輻射器(仮)ができたので、ホームセンターで他のエレメント用のアルミパイプと木材を買ってきてそれっぽい形に仮組します。さすがに床で仮組、測定しても意味ないので、三脚に括り付けています。
導波器、反射器ともに寸法は結構適当です。いくつかサイトを参考にしましたが、私が欲しい調整点は430MHz+なので…
さっそくNanoVNAで測定すると
32.0Ω+6.86nH (430.0MHz)
適当に組んだ割には悪くないですね。
とはいえ、八木アンテナですから、性能の評価は指向性も大事。
ここからは、ハンディー機片手にアンテナの周りをグルグル回ってシグナルを見たり、導波器、反射器の位置・長さを変えてみたりの試行錯誤です。
その2
以前HAMtte交流サイトでアパマンハムでありながらコンテストで常勝しているかたの話が聞けたのですが、マンションの高層階から3エレの八木アンテナで参加されているそうです。
当方、高層階ではありませんが、この話を聞いて是非試してみようと思っていました。
とはいえ、製作を決意したものの八木といってもループでいくかダイポールでいくか、バランはどうするかインピーダンス変換はどうするかと色々悩みました。
悩んだ末、フォールデッドダイポールに直接給電が一番簡単なのではという結論に至りました。
というわけで、ホームセンターでΦ4のアルミパイプを切って、700にカットして折り曲げてみました。
700というのは長めに切っておいて、後で調整するはずだったのですが今のところ調整不要でいってます。
コネクタとの接続方法も悩みましたが暫定で写真のようにいきました。
とりあえず、輻射器(仮)ができたので、ホームセンターで他のエレメント用のアルミパイプと木材を買ってきてそれっぽい形に仮組します。さすがに床で仮組、測定しても意味ないので、三脚に括り付けています。
導波器、反射器ともに寸法は結構適当です。いくつかサイトを参考にしましたが、私が欲しい調整点は430MHz+なので…
さっそくNanoVNAで測定すると
32.0Ω+6.86nH (430.0MHz)
適当に組んだ割には悪くないですね。
とはいえ、八木アンテナですから、性能の評価は指向性も大事。
ここからは、ハンディー機片手にアンテナの周りをグルグル回ってシグナルを見たり、導波器、反射器の位置・長さを変えてみたりの試行錯誤です。
その2
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2023年6月17日(土) 移動免許が下りたので運用しに奈良県吉野の金峯神社へいきました。 途中の高城山展望台で運用する予定で早朝から電車移動。 10時前に高城山に到着し、しばらくウォッチしJS3UUU局と交信。 初めての電話運用でとても緊張しましたが丁寧に交信して頂けたので助か...
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160m用磁界ループアンテナを制作しました。 結論から書くと失敗でしたが、後学の為に残しておきます。 コンセプトとしては1mの銅パイプを使用して高さ35cm程度に抑えた極小アンテナ。 構想の段階からまず飛ばないだろうと予想。ただ、FT8ならある程度できるのではと...
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アパマンハムにとって、アンテナは永遠の課題。 性能、サイズ、重量、設置方法すべてのバランス良く考慮して周囲に迷惑を掛けないように妥協点を探す。 そんなアンテナシステムの一部を紹介します。 V/Uアンテナと基台、イレクターパイプ、ドリルクランプの構成。 建物から少し...